57才 主婦
「東京で風邪をもらったみたい。頭が重くのどがイガイガする」
娘の様子を見に行くと言っていた女性が東京風邪をもらって帰ってきた早々来院した。
「空気が悪かったのかな?」「そんなでもなかったけど真夏日で油断しました」
脉状
浮にして数 やや革を呈している 体温37.2度
腹気鍼診断
中脘・下脘が脉締 巨闕・左期門がやや革脉
奇経診断
左申脈・N―左外関・Sで脉締
治療
右太淵・右商丘に0番鍼で補法
左中封・左霊道に軽めの下圧瀉法
陽経の処置は左申脈・左外関に下圧瀉法
標治法
右背中・肩の補的散鍼
左背中・肩に瀉的散鍼
背中全体に軽く手掌軽擦で終了
数・革脉はなくなり良脉になっているので、この1回の治療で「東京風邪は退治できましたよ」「すっきりしました、ありがとう」
解説―経絡原理主義だからできる診断確定
典型的な「肺虚肝心実証」の腹気鍼診断の結果です。左期門に革の邪、そして巨闕という心のみどころにも革の邪があることがわかるので「心実」も確定してしまいます。膻中に邪があれば心包実になります。
この診断に加えて、奇経診断で証が最終確定できるシステムになっているところが、今までの経絡治療にない素晴らしい特徴でもあります。つまりN・Sの磁石で脉がしっかりと締まってしまうから決定できるのです。
初出:2017/04/26
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