数あるブログの中から、当「氣鍼医術症例ブログ」をご訪問いただきありがとうございます。
毎月第2日曜日は氣鍼医術臨床講座の研究部です。平成30年度第10回目を開催いたしましたので、本日はその報告をさせていただきます(文責:サイト管理人C)。
まずはペアを組んでウォーミングアップに子午。動作確認をしながらやると、押手や取穴の的確さのほどがわかります。超シンプルな理論の子午だからこそ、成否を左右するのは基本的な技術となります。子午が効かないことはありません。
重い、と指摘を受けることが多い氣鍼医術の押手です。軽い押手では氣を漏らしてしまいがちです。補法の場合は特にじっくりと補うため、押手の圧が必要です。鍼の代わりに指を使う際はなおさらのこと、軽い圧では鍼と同等の効果が得られません。自分の指の圧がどれだけかを意識するために計測が行われました。
葛野代表は指鍼の際は〜150g、瀉法の場合の下圧は500g〜1kgもあるそうです。触れ置くだけの軽い押手で邪を出し切ることは難しいでしょうね。
次は葛野代表からの治験例ですがいつもとは趣を変えて、主訴や症状から証を推測するというものです。
70歳男性、痩せ型、主訴は左大腿部外側が歩き始めてから100mぐらい痛む。それ以降は鈍痛となる。既往症は高血圧で降圧剤を服用、20年来の気管支喘息、20年前に落下事故で右足首骨折、肝臓の数値は高い。
脉はやや数(さく)、やや浮、革を帯びている。これだけの情報でどう判断するか。痛みの場所から胆経と判断して子午を行う。脉が数であるから風邪を疑う。実際、心経の経金穴である霊道で脉締したそう。これより心虚が推察される。
最終的にたどりついた証は「心虚肺腎実」。風邪の症状はその場でとれ、喘息もその後でていないそうです。全身の経絡のバランスを調整することで主訴以外の症状も霧消します。
偏在症例といえば子午を使いますが、氣鍼医術ならではの督脉症状としての対処もあります。デルマトーム的に局所に対応した脊椎の神経を狙って棘間に深刺しをします。
弾発指には顕著な効果が見られます。患部を触らずに痛みをとってしまうのが経絡治療の特徴ですが、督脉病症はその最たるものなので患者さんにたいそう驚かれます。督脉症状の特徴として、病症の偏在場所の左右に関わらず督脉を触ることで治ってしまうことですね。
ちょうど親指の痛みがある受講生がいたので、その痛みを取ることに他受講生がチャレンジいたしました。棘間の深刺しは経験の少ないものにとってはちょっと勇気を必要とするようですが、葛野代表のガイドにより無事1穴深刺しによって痛みを取ることができました。これはできると、ものすごい自信になるようです!
弾発指、腎臓結石、ヘルニア等、氣鍼医術では難経六十九難の本治法や督脉症状といった独自の治療メソッドによって他所では治らなかったという症状に多数対処が可能です。
いまやコンビニと同じくらいの数があるといわれる治療院、他所との差別化をはかるためにもより高度な技術、氣鍼医術をみなさまの臨床にお役立てくださいませ。
最後までお読みくださりありがとうございます
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