数あるブログの中から、当「氣鍼医術症例ブログ」をご訪問いただき、ありがとうございます。
拙ブログの読者さまは大きく分けて、患者さん・治療家さん・経絡治療家さんの3つに大別されます。
いえ、されません(どっちやねん。
患者さん・治療家さん・経絡治療家さん・氣鍼医術治療家さんの4つです。拙ブログの内容は氣鍼医術治療家には当たり前のようにわかることですが、その他の方々には馴染みのない用語も多いかと思われます。説明が足りませんで、申し訳ありません。
が、本日のブログはかなり丁寧に解説がされています。患者さんには難しいですが、鍼灸学校学生程度の知識があればかなりわかっていただけるのではないかと。もちろん「脉締」がわかることが大前提ではありますが、氣鍼医術が子午から奇経、そして本治法の証をたてるプロセスがいつもよりはわかっていただけるように思います。
では、スタート!
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男性 67歳 農業
「昨日起床時から痛みが出て、起き上がりがなかなかできなかった。食卓の椅子から立ち上がるときにもギクッと激痛が走る」
治療
座位で開始 そらし動作で痛みがひどいのはたいてい督脈が絡む
子午診断
左肝経の太衝穴に金10番で補うと「脉締」、同時に左腎経の照海穴でも「脉締」・・臨床的には証まで推測することから「肝虚・・」を推測し腎経にまで補うのである。
奇経診断
右後谿―右照海で脉締 これで証が決定してしまうのだ。
証
肝虚脾肺実証左から全合水穴使用
解説
左肝虚は確かであるから子午拮抗経絡は右小腸経、つまり実経絡小腸経上にある奇経の総穴は後谿である。これがポイントである。
右後谿穴にNを添付さて奇経後谿グループは何か
後谿―申脈(同側‣交差)後谿―照海(同側のみ)が考えられる。
このばあい、三種類NSを添付して、きゅっと締まるグループが正解なのである。
標治法
座位で腰部督脈に瀉法気鍼2ミリの深さ左華佗穴・膀胱経痛む周辺に補的気鍼の0.6から1ミリ
結果
その場ベッドから降りる動作をしてもらったが全く痛みなし。歩きも大丈夫
「これで様子見ましょうか。まだ腰の奥に熱がありますから24時間は安静にそれから少しづつ動き始めて本格的農作業は明後日からで」「毎月1回は何ともなくてもメンテナンスに来たほうががいいですよ」で終了。
初出:2016/09/02
※見学のみの方にも特典USBお渡しいたします