経絡治療要綱をまとめられた福島弘道先生の講演テープにあったボヤキ(?)です。
やれ鍼の深さは何ミリがいいんですか、とか、角度は何度がいいんですか?という実にどうでもいい質問が多くて困る、と。
確かに鍼灸学校で支給されたお道具には鍼の角度と深さを測るメジャーがありました。使ったのはごく最初の頃だけでしたが。
では、メジャーがなくてどうやって鍼の角度と深度を決めるのか。
目の前の患者さんの症状に対して、どんな角度と深度がふさわしいのか。
補は浅く、瀉は深く、という大まかな基準のようなものはありますけれど、最終的な判断の根拠となるのは経験値であることが多いのではないでしょうか。
経験値とは、「〜だから〜のはず」というものです。
「〜のはず」という期待値、期待は失望とセットです。こんなはずじゃなかったのに、と。
こんなはずじゃなかったのに、を、「〜のはず」と押し通しているとこが従来の鍼治療になかったとは言い切れないのではないでしょうか。
「〜のはず」に再現性はありません。
なぜなら、たとえ同じ症状が見える患者さんであっても、それは単に似通ったもの、大まかに同じカテゴリーに入れられるもの、というだけであって、例えば頭が痛いという患者さんに同じツボ、同じ鍼の深さで対処できることなどあり得ないでしょう。
氣鍼医術が提供するのは、治ったか、治っていないか、を判断する基準です。
それが脉締です。
脈締していればそれは、良い効果となっているというシルシです。
鍼の深さも角度も、脉締を得られるように設定すればいいのです。
鍼の深さ、どうやって決めていますか?と尋ねられて、納得していただける回答ができていますか?
治療における良し悪しの全ての基準となる脉締、再現性のある治療の根拠、是非とも皆様の臨床にお役立てくださいませ。
最後までお読みくださりありがとうございます
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