これから導かれる証は
心包虚肺腎実証
陥谷は胃経、胃の子午拮抗経絡は心包、ゆえに心包虚となります。
1:心包(補)間使(金)
2:肝 (補)中封(金)
※難経六十九難により「虚したるはまずその経を補い、そしてその母を補う」
ここで経金穴を用いているのは、脉状にやや数(さく)があり、風邪が入っていると判断したためです。
瀉法に進む前に、瀉すべき実があるかどうかの確認です。たいした邪もないのに無闇に陰経を瀉すことは好ましくありません。
腹氣鍼診断®︎の診断穴を用いてチェックします。
肺は中脘、腎は気海、検脉の結果どちらも脉が浮きましたので邪があると判断します。
瀉法の際にはもう1つの工程が。用鍼を選びます。
複数の鍼を患者の体に置き、もっとも脉が締まった鍼を用います。
3:肺 (瀉)中府(募穴)
※息苦しさなどの症状がある場合、中府の圧痛部を瀉します。
4:腎 (瀉)陰谷(水)
※主訴が耳鳴りなので、合水穴を用いました
瀉法の後は、実邪が取れているかどうかチェックです。
再度、中脘と気海を検脉です。すると腎の邪は残っていたので、再度、腎に瀉法をおこないます。
二度目の瀉法は圧痛の有無で邪の場所を探します。
5:腎 (瀉)照海と太溪の間ぐらいの場所
次は陽経の処理。
陽経に残った埃のような邪を軽い瀉法で取り除きます。場所は奇経診断で用いた陥谷と後谿の二箇所です。
続く