淡路の北野鍼灸院北野文章先生による、漢医堂社(やしろ)本院の見学感想です。北野先生、ありがとうございます♪
主訴:肩が痛い、うずく
証 ー腎虚交差(腎虚単一はヘルニアに出る証
前回の治療後、肩のうずきはなくなり動作痛も軽減していましたが、今回は腎虚交差の証がでていました。奥に熱があり深刺しやお灸ができない状態です。
督脈の処理では使う鍼を慎重に選び治療をしていました。
症状が良くなってきても状態を見極めて適切な治療を行うことが大切さだと感じました。
はやく症状をとってあげないと、と気持ちが焦ってしまうと良い治療はできません。
焦らず慎重に治療を行うことが大切であり、患者さんのためにもなります。
主訴:足のしびれと足が上がりにくい(男性、農家)
背中から腰の筋肉がバキバキに硬くなっており腰椎の状態もあまり良くない
この患者さんの場合は細い鍼ではあまり効果がなく、五番鍼くらいを使って督脈に氣刺鍼を行うと足の上がり具合が良くなり、帰りはスタスタと歩いて帰られました。
この鍼でいいかなと安易に決めるのではなく、身体に鍼をあてて適切かどうかを見極めることが患者さんの身体や症状にも良く効き、効果的であると思いました。
どちらの症例も選鍼の大切さについて触れられています。
氣鍼医術では用鍼も脉締で選びます。
用鍼はどうやって決める?
患者さんの体に鍼を当て、脉締すれば治療にふさわしい鍼と判断します。当てる場所も闇雲にではなく、使用する経穴と同じ経絡上に置きます。
例えば、本治法で肺を瀉すのであれば肺経上のどこかに鍼を置き、脉締すればその鍼で瀉法を行います。この工程を端折ってしまうと、本治法が終わった時に目指す良脉となっていないことが多いです。
証や選穴が間違っていないのに良脉になっていない原因として、押手が甘い、ツボの場所にズレがある、そして用鍼が相応しくなかったということがあります。
良脉を目指して、考えうるあらゆる要因のチェックを行います。これで治療精度がより高まります。