月に一度の氣鍼医術臨床講座、葛野代表による受講生のモデル治療があります。
今回、葛野代表の治療を受けることができるプラチナチケットを獲得したのは、京都東山三条鍼灸・接骨院 白澤堂HAKUTAKUDOU の 長濱知之先生です。
長濱先生に治療のレポートをお願いしました。
【右睾丸の痛み】
2023年11月5日頃、自宅で10歳の娘と遊んでいたとき右睾丸に娘の脚があたり「痛っ!」と感じました。
その時はそれだけだったのですが、後から右の睾丸がだんだん痛んできて、11日から12日にピークに。
歩行時や座っていても腫れたような痛みを感じるので、比較してみたら右の睾丸が左の1.5倍ほど膨れており、これヤバいんじゃないか?と思っていました。
12日は氣鍼医術の勉強会、ちょうどありがたいことに、葛野先生に治療して頂く機会を得ました。
場所が場所なんで言いにくくはあったのですが、これは治してもらいたいという気持ちが勝ったので、診て頂くことに。
脉状はやや浮いて数。
腹氣診診断
脾と心の診どころで脉が締まり、左右の肝は右の方が強く浮くので、脾虚腎肝実証左からと、この時点で予測して頂いた。
・脾の診断処ー下脘
・心の診断処ー巨闕
・肝の診断処ー期門
1)腹氣鍼診断®︎と従来の腹診の違い
奇経診断
右外関N-右臨泣Sでやや締まるように思えたが、締まりきらず。
尿路の石と砂
外関-臨泣で脉締を得られない場合は、前立腺や膀胱に問題があると疑われる。右公孫N-右通里Sかもしれないということで、やって頂いたところしっかり脉締。
外傷による睾丸の腫れと痛みが、公孫-通里で良くなるという、新たな発見ともいえる症例ということ。貴重な症例と言って頂けたので、お願いしてよかったです。
証
脾虚腎肝実左から(右公孫N-右通里S)
本治法
・左脾経の火穴である大都、左心経の火穴である少府を補
・右腎経火穴の然谷を2番鍼で瀉、右肝経火穴の行間を瀉
・腹本治として、下脘と巨厥を補い、気海関元を瀉して、期門を瀉
標治法
膀胱経全体を手掌で軽擦
治療の途中から、肩周りの張っていた緊張が解けて楽になる。
腎実瀉法してもらったあたりから、寝ていて患部の痛みと腫れ感が気にならなくなりました。
治療後は睾丸の痛みが半減しており、腫れた感がスッと引いたと一番わかりやすかったのですが、数時間経ったあと、ズボンの位置を直した時に気がついたのが「…痛くない!」でした。
ここ数日、ズボンがわずかにずり落ちてくるのを上に引き上げた際に、患部を圧迫してその度に痛みを感じていましたが、その痛みがなくなっていることに気がつきました。
歩く時のわずかに脚を上げる動作のたびに、腫れたようなうずく痛みがあったのが無くなり、足どり軽く帰れました。
そして帰り道、駅から自転車にのった際にも、サドルにあたって圧迫される痛みがあったのに、痛くない!
そして腫れ感も明らかにおさまってきている!
と、その日にのうちに3回くらい驚きました。
アイシングもしていましたが、一週間たっても腫れがひどくなるばかりで不安でした。治療のおかげで大変助かりました。
翌日はさらに腫れと痛みが引きほぼ完治した状態で、歩いても仕事中も痛みがなくなり、違和感もほぼ消失した状態でした。
腹氣鍼診断とそこから奇経診断への連動、本治法の威力のすごさに改めて感動したのと、氣鍼医術/葛野先生の技術の素晴らしさを実感し、学ばせて頂いていることに感謝です。
施術中、葛野先生からお酒はよく飲む?と尋ねられました。
酒量は少なくなく、それに伴い食べる量も増えていて、不摂生してしまっているなとは思っていました。
それが脾虚、そして腎実や肝実につながっており、身体全体の問題として回復力が落ちていたから自己治癒力も働かなくなっていたのだなと、非常に今の症状や状況がピッタリで納得しました。
原因までわかってしまうところも、氣鍼医術のすごさだと感じています。
*
長濱先生、ありがとうございました。
奇経診断は実している経絡、陽経を触ります。公孫ー通里は陰経、陽経にばかり目を向けていると、女性なら婦人科、男性なら前立腺の不調を見過ごす恐れがあります。
「前立腺がん」が不問奇経診断で判った症例
奇経がなかなか定まりにくい場合、陰経に目を向けることもお忘れなく。
子午鍼法実践講座のお知らせ
陰主陽従、補法優先、経絡治療としての氣鍼医術の基本が子午鍼法です。経絡の存在を実感できる子午鍼法、ぜひご体験ください。即効性のある治療法として、受講したいただいたその日から臨床に役立てていただけます。
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