漢医堂三ノ宮分院にて、火曜午後/日曜夕方の治療を担当されている、松崎広恵先生による症例報告です。
60代女性 主訴 頭痛
2021年に新型コロナワクチンを2回接種。
接種後から頭痛がするようになり来院された。
治療前の脉は「緊脉」。「弦脉」がよじれた様な堅い脉である。
緊脉の時は拡張期血圧(下の血圧)が高くなっている。
この脉状での頭痛は、脳血管の詰まりが考えられる。
脳梗塞の一歩手前の状態である。
実際、女性にも頭痛の症状が出ていた。
本治法、標治法の治療で脉締(注)を得ると、堅い脉が柔らかくなった。
そしてその場で頭痛は治まった。
それからは1、2週間に1度来て頂き治療を続けた。
途中、頭痛の再発を繰り返しながらも、来院される度に堅い脉が柔らかくなっていき、半年ほど治療を続けたところで安定的に柔らかい脉状になった。
下の血圧も下がり、頭痛症状も治まった。
現在も健康管理のため治療継続中。
(注)氣鍼医術では、治療が成功に向かっているかどうかを「脉締(みゃくてい)を得る」ということで判断しています。
・広がった脉状が細く縮まる
・堅い脉状が柔らかくなる
・躁がしい脉状が静かになる
・遅数の脉状が平になる
脉が上記のようになった状態を「脉締」と定義しています。押手でない方の手は、常に脉をみています。