先日の臨床講座で行った抜き打ちテスト、その結果報告です。設問の内容はこちら。
1:「経絡治療とは」を治療家になんと説明するか
2:「経絡治療とは」を患者になんと説明するか
3:「氣鍼医術とは」を治療家になんと説明するか
4:「氣鍼医術とは」を患者になんと説明するか
以上4問です(回答者13名)。
この4問の回答を実際に治療家7名(うち経絡治療家2名)と患者10名に見ていただき、わかりやすいかどうかの判定をしていただきました。
Q1:「経絡治療とは」を治療家になんと説明するか
A01)経絡の虚実をとらえそれに対する補瀉を行うこと
A02)経絡の虚実を診て、必要に応じて補瀉を行い生体を整える治療のこと
A03)脈診、腹診などから証をみちびき出してその証に従って治療をします
A04)*診で得た経絡バランスの**を、難経六十九難や子午拮抗経絡を用いて治療をするもの。柳谷素霊らによってつくられた鍼灸治療方法。
A05)経絡の虚実が生じることで病が起きると考え、その虚実をツボをもって判断し、治療する方法
A06)病態を気血の変動ととらえ、経絡の虚実を調整することによって施治する随証療法である。
A07)寸関尺の脈状をみて経絡を整える治療
A08)人体の経絡の虚実をとらえ、鍼灸をもって補瀉調整するはり灸治療法をいいます。
A09)経絡の流れを補瀉で整える
A10)十二経絡、奇経八脈を用いて虚実のバランスを整える治療
A11)14経絡の陰陽の任脈督脈を中心としてそのアンバランスを12経絡を気をもって虚実補瀉の法則にしたがって施術すること
A12)経絡の虚実をわきまえて補瀉すること
A13)身体の不調を経絡の気血の変動ととらえ、それを補瀉することにより調整する治療法。
Q2:「経絡治療とは」を患者になんと説明するか
A01)五臓(六臓)六腑の氣の流れのバランスを整える治療法
A02)人の身体には、生命の根源的なエネルギーである気と血が流れる経絡があります。気血の流れや過不足があると心身の不調となるので、経絡を整えることで不調を治していく治療法です。
A03)日本の伝統鍼灸で気血の通り道である経絡を使って気血の調整をする治療法です。浅く刺す鍼、おだやかな灸を用いた治療が主流です。
A04)体には経絡と呼ばれる気の通り道が有ります。気のとどこおりによって自律神経がみだれることで色んな症状がでますが、この気のとどこおりやバランスを常に戻す治療を経絡治療と云います
A05)体には12本の”経絡”というものがあり、その流れが弱ったり滞ったりすることで体に変調を起こすと考えています。この弱ったところを正常にしたり、滞りを流れるようにすることで改善するのが経絡治療である。
A06)人の身体は気・血・水という3つの材料でできていますが、この気血水のバランスの乱れによって病になると考えられており、人体に走行する12本の気の通り道である「経絡」の流れを調えることによって治療する方法です。
A07)
A08)人間の身体を守っている氣と血の流れを鍼灸をもって調整するはり灸治療。
A09)人間の身体には経絡があります。その経絡には流れがあります。その流れの悪さ、強さ弱さのバランスがくずれると不調がでます。経絡のバランスを整えることで身体のバランスを整えることができる。
A10)
A11)14経絡のバランスの流れをいろいろな東洋医学の法則にのっとって施術すること
A12)経絡のバランスを整えること。問診、切診、脈診をして治療する
A13)身体の不調を全身をめぐっている経絡の変動と捉え、それを鍼灸で調整することにより免疫力・自然治癒力を高め、健康増進をはかる治療法。
Q3:「氣鍼医術とは」を治療家になんと説明するか
A01)子午鍼法をベースに、標治法から本治法まで連動して治療できるシステマティックな医術。
A02)再現性と正確性と高い治療効果のある鍼灸術です。
A03)脉状診、子午診断、奇経診断、腹氣鍼診断による複合診断で難経69難本治法で生命力を高める治療法です。標治法として督脉処置などもあります。
A04)子午、腹氣診、奇経によって治療経を把握し、氣鍼によって治療する体系。
A05)経絡治療に従来あった問題点を解決し、より治療効果を高めた治療法である。
・脉締
・相克調整
・証立ての正確性
A06)ベースは経絡治療であり、難経69難を駆使して治療にあたるが、証立ての時に用いる診断は複合診断であり、主に・子午診断・奇経診断・腹氣鍼診断を一*させて診断し、証を確定する極浅刺の鍼灸術である。
A07)鍼を深く刺さずとも脈締によって最も虚している経絡を見つけまず確実に補い、対し実ある時は瀉し病を治す。
A08)日本伝統鍼灸医術を継承するとともに進化発展させた人体にやさしく触れることを中心にしたはり灸治療です。
A09)経絡の流れ(12経絡)の状態を69難の論理にあてはめて五臓の虚実を確認し補瀉で治療する。
A10)
A11)不問診断によって脈でえるための方法に子午、腹気鍼診断によって法則にしたがって左右のバランスをととのえる
A12)経絡の虚実をわきまえて補瀉すること。他の経絡治療と違う所は診断術が違う。再現性、即効性、多様性がある。
A13)経絡の変動を脉締を指針として子午診断、奇経診断、腹氣鍼診断を連動することにより69難にもとづく証を確実に立てて治療する法。
Q4:「氣鍼医術とは」を患者になんと説明するか
A01)(ほとんど)刺さない鍼、熱くないお灸で恐くない治療。手足のつぼを使って内臓の調子を整えられる治療。
A02)ごく浅い鍼で身体に苦痛なく治療する鍼治療です。その効果は高く広いです。
A03)脉からからだの状態を調べ、気血の調整をすることで、からだの本来持っている生命力を高める治療法です。
A04)上記と同様であるが、くず野先生の長年の臨床経験を元にい体系化された。
A05)経絡治療より正確に体の変調を把握して体の負担を最小限に病や症状を改善することができる治療法です。
A06)手首の脉をたよりに、身体の気や血の流れのバランスの乱れを感知して、弱っているところの原因を探し当て根本からととのえる医術です。基本はとても浅く、皮フにあてる程度の刺激で驚く効果があるので安心して受けて頂けます。
A07)鍼を刺さなくても身体に補い
A08)日本古来の伝統的はり灸の治療法を継承発展させた痛くなく熱さの少ないやさしいはりと灸の療法です。
A09)氣鍼では身体のバランスの悪さを脈で確認しながら鍼を刺します。鍼を使用せず指をツボにあてて脈の状態をみることもできます。脈の状態を整えることで身体のバランスも整います。
A10)
A11)気の流を69難の診断にのっとって左右上下前後のバランスをそろえることで体調の不和をととのえる。
A12)経絡のバランスを整えること。どこの経絡やツボを使うか、深さを決めるのは脈が変わる所。子午、腹、磁石を使ってどこの経絡やツボを治療に使うのかを決める。
A13)身体の不調を全身をめぐっている経絡の変動と捉え、脉診によって調整することにより、痛くない(ささない)鍼とあつくないお灸で免疫力、自然治癒力を高め健康増進をはかる治療。
赤文字となっているのがそれぞれのベスト5です。
患者さんは経絡の説明の有無を重視されました。経絡治療家の方々は脉締の意味を気にされました。トリガーポイントやルート治療をされている治療家さんには補瀉の調整ということがなかなかご理解いただけませんでした。
どの治療法にも優れたところがあります。しかし、もしもこれまでの治療法でぶつかる壁があれば、壁を乗り越えるための手段として氣鍼医術があることを頭の隅に置いておいていただければ幸いです。
経絡治療とは何か、氣鍼医術とは何か、わかっていただかないことには治療手段として選択していただけないですからね!
より伝わりやすい表現を目指す次第です。
ご協力いただきありがとうございました(管理人。