暗くて深い河があるのは男と女の間だけではなく
患者と治療家の間にも暗くて深い河はあるのですよ!
治療家になってしまうと、患者だった頃のことを忘れてしまってはいませんか?
現役患者の私だからこそよくわかる、患者とは我儘で無知蒙昧です。いくら食べても太らない、ありえないものを欲しているのです。
いくら食べても太らない方法などないんだよ、ということを口を酸っぱくして言い続けることこそが啓蒙です。
産後お世話になった助産師さんがおっしゃってました、ハイヒールやミニスカートをはいてスターバックスでフラペチーノすすってる人が妊娠したからって自宅出産とか希望されても無理だ、って。
ハイヒールやミニスカートやフラペチーノが妊娠には望ましいものではない、ということをわかって貰うことからスタートです。
切羽詰まってないと、身を以て懲りてないと、なかなか本気にはなれません。
治療が終わると”家でもできること、やるべきことはありますか?”と問われる患者さんが多いですが。
が。
尋ねるだけ尋ねて実行しない方の多いことよ(自分がそうだったからよくわかる。
頻繁に治療にお越しいただけるならなによりですが、そうでない場合はご自宅での養生はたいへん有効です。ヤルヤル詐欺の患者さんには、やっていただくことのハードルをいかに低くするかが重要です。たとえ望む効果の半分であったとしても、やらないよりはマシですし、モチベーションを保ち続けていただけます。
ご自宅でやっていただくことの筆頭はお灸。
第1のハードル、もぐさ。
はいはい、もぐさ面倒ですね、じゃあせんねん灸でいいですよ。
第2のハードル、時間。
はいはい、せんねん灸は燃え尽きるまで時間がかかりますね。
では、特別な道具もいらず、時間もかからず、手軽な線香灸をどうぞ!
これをお伝えすると、みなさんおっしゃるのです、”手軽で簡単でいいですね!これなら私にもできます!”と。
よかった、よかった、これを三陰交と足三里に続けていただくだけでもかなりの体質改善になるだろう、次回お会いする時に良い報告を聞けることを楽しみにしていよう、と思っていたら。
ら。
なんと第3のハードル、お線香がない。火をつけるものがないという方もいらっしゃいました。
台所のガスコンロで点ければ?と思ったら、オール電化でガスを使ってない方も少なからず。
なんてこった!
ライターがなければガスコンロを使えばいいじゃまいか。
ガスコンロがなければライターを買ってこればいいじゃまいか。
お線香なんてもちろんないだろうから、お線香とライターを買ってくればいいじゃまいか。
おうちでお灸をしてくださいね、と伝えるには、ダイソーでお線香とライターを買ってくださいね、まで言わないと患者さんは動きません。やらない言い訳、やれない言い訳をしなくて済むように手を打たないと、アンモナイト。
すぐやるキットでも作るか。
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