なんか「馬から落ちて落馬した」みたいなタイトルですね。どないかならんもんか(どないかしろよ!)。
久々の詳説シリーズです。これを読めば、あなたも今すぐ五十肩が治せるぅ♪
主訴
肩が痛くて左手があがらない。
患部①は大腸経と判断しました。
子午診断
大腸の子午拮抗経絡は腎経。右の腎経の大鍾(子午診断には絡穴を用います)に鍼を当てました。
脉締を得たので、動作確認をします。左手は問題なくあがるようになりました。
左肩の痛みは実痛、大腸経が実で腎経が虚と判断できます。
ごめんなさい、ちょっと嘘をつきました。これを読めばあなたも今すぐ治せる、と大口を叩きましたが、脉締がわかってないと虚実の判断ができません。
脉締のなんたるかは↓こちらをご覧ください。
https://kishinijutsu.net/about/outline/
子午診断が終わったので、次は奇経診断です。
子午診断は虚の経絡を、奇経診断は実の経絡を特定します。子午により大腸経が実であると推察されますが、それの確認をします。
大腸経の奇経グループは
合谷ー臨泣
合谷ー陥谷
合谷ー申脈 など
それぞれにNの平鍼とSの平鍼を貼付して脉締する場所を探します。
奇経診断
左の 合谷(N)ー臨泣(S)で脉締を得ました。
虚の経絡は腎、実の経絡は大腸と確定です。
大腸(実)の子午拮抗経絡は腎(虚)
臨泣(実)の子午拮抗経絡は心(虚)
以上より証は「右の腎虚心虚証」となります。
次は本治法です。
腎を補い、心を補います。
いえ、補いません(どっちやねん。
ここで難経六十九難の出番です。
虚すればまずその経を補い、そしてその母経を補う。
実すればまずその経を瀉し、そしてその子経を瀉す。
ということは(どういう?)
1:まず腎を補います
2:腎の母である肺を補います
3:心を補います
4:心の母である肝を補います。
この場合、4経ではなく3経であることに注意。
https://kishinijutsu.net/2019/09/28/%e8%a9%b3%e8%aa%ac%ef%bc%9a%ef%bc%94%e7%b5%8c%e3%81%98%e3%82%83%e3%81%aa%e3%81%84%e3%82%88%e3%80%81%ef%bc%93%e7%b5%8c%e3%81%a0%e3%82%88/
肝を補ってしまうと、肝の母は腎、となりグルグルまわってしまうのです。
本治法
さて次は選穴ですが、肩痛のほかに症状もなかったので原穴を使用しました。本来は選穴も脉締に従います。
1:腎(太渓)補
2:肺(太淵)補
3:心(神門)補
本治法終了後、脉締を得、腕は問題なく動くようになっていました。
おまけの標治法
左股関節に違和感があるというので背中を見てみましたところ
腰椎のあたりにがっつりと歪みが。氣鍼の②によって違和感は瞬殺。鍼の深さはもちろん後方検脉にて。
https://kishinijutsu.net/2018/08/10/%e5%be%8c%e6%96%b9%e6%a4%9c%e8%84%89%e3%81%ae%e5%87%84%e3%81%95%e3%80%81%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%82%8b%e3%81%8b%e3%81%aa%e3%83%bc%ef%bc%9f/
仕上げのナイトウ式にて終了。体が軽くなった、と喜んで帰っていただけました。
https://kishinijutsu.net/2019/04/22/2019-04-22-165647/
最後までお読みくださりありがとうございます
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