40歳女性、ゴルフ肘の治療。
治ったかなと思ったらまた痛みが出るというのを繰り返しています。
本治法が終わった時点では痛みは取れているのです。
楽になりました、と帰っていただけるのですが。
が。
2〜3日経つとまた痛みが振り返すのです。
本治法の効果が持続しないのは深い患部であることが多いです。深刺しの深度を増すことで解消されることがほとんどだったのですが。
が。
なかなかスッキリしていただけないのです。
痛みは右肘の大腸経、通常ならば上大椎への氣鍼、もしくは氣刺鍼で症状が取れます。
督脈上で取れなければ華陀夾脊穴、さらに外側の膀胱経と変わっていきます。
筋縮、至陽、霊台のあたりに圧痛が。圧痛部への氣鍼が定則です。
しかし今回はその場では痛みが取れても予後が良くない。
氣鍼で足らずの部分はお灸にまかせます。
身体を巡る気血の”気”に作用するのが鍼ならば、”血”にはお灸です。
至陽に瀉的な3点灸を。
後日の予後報告は、痛みはもう出ない、という安心できるものでした。
血に作用させるという明確な目的、そして補瀉を確実にコントロールできるお灸の技術力、これが功を奏しました。
あなたのお灸に補瀉はありますか?
ゴルフ肘など、患部を触ることなく督脈へのアプローチだけで治してしまう、それが氣鍼医術の督脈病症です。
シンプルゆえにとても再現性の高い技術です。ぜひとも皆様の臨床にお役立てください。